Rainbow Turtles

メルボルンでの生活

003 - メルボルンでロールモデルを探す

 "Only a fool learns from his own mistakes; The wise man learns from the mistakes of others. "- Otto Von Bismarck (1815-1898)

 

 皆さんはここメルボルン、オーストラリアの地で目標にしている人はいますか?「こんな人になりたい!」「こんな風な生き方をしたい!」様々あるかもしれません。

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私がオーストラリアに拠点を移すことを決めて不安要素だったのがやはり、どのように進んでいけばいいのかというお手本がほとんどなかったことです。

 

日本にいる時は、どこかで自分を重ね合わせるれるような人生のモデルがあったのが事実です。幼稚園から大学まで皆んなと一緒に進んで、就職活動をして就職。大多数の人が通る道だったので、あまり自分の人生について深く考える、そして向き合う必要がありませんでした。その方が簡単だし、悩む必要もなかったから。人生の先輩の姿を見て、「この人の生き方かっこいいな!面白そう!」と思うことも何度もありました。そしてその背中を見て、一生懸命努力していた時期もありました。

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しかしこのメルボルンに来てぶつかった壁の一つがロールモデルの不足です。色々な人と会い、交流してもなかなかこのように生きたい、かっこいいと思う人を見つけることができませんでした。そして同じような境遇の仲間も少なかったため、なかなか悩みを共有することもできませんでした。

 

人生に正解も不正解もない、人生は自ら作り上げていく物だと確信出来たのはここ最近です。ロールモデルはあくまでもその人の人生であり、参考程度にするべき物だということ。そして自身が新しい生き方をすることでそれが他者へのロールモデルに、人生の参考になるのだということ。

 

 話は変わりますが、私自身日本で生活している時、同性愛者としての生きづらさを感じていました。将来像を描く時に、同性愛者として就職、結婚して家庭を持つという一般的な人生像が描きづらかった記憶があります。それはやはりロールモデルが圧倒的に不足していた....というか一人もいなかったからです。大学生になって都内に通うようになるまでは、同性愛者の人々と交流することなんて一度もなかったし、毎日のように将来に対する不安を抱えていました。

 

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大学生になって、色々な人に出会い、身近に同性愛者の人が沢山いるのだということを知り、心が救われました。人生に希望と勇気を持つことができたんです。それは沢山のロールモデルを見つけることができたから。その一環でLGBTERというLGBTQ+のロールモデルを記事にしているサイトにも出会うことができました。


 多くの人が将来に対する不安、人生どう築きあげていこうかと悩むことがあると思います。ましてや異国の地で生活していれば尚更そのように感じることが多いのではないでしょうか?そんな時はロールモデルとなる人を見つけて、参考にし、自身のオリジナリティー溢れる人生の糧としていけばいいと思います。真似る必要はなく参考にすることです!ロールモデルはあればあるほど、受験勉強に対する参考書が増えるようなもので必然的に将来に対する不安が軽減すると思います。しかし逆手にとればそれが「自分の人生」を生きるのではなく「他者の人生」を生きることにも繋がりかねません。どのように利用して、噛み砕いて、自分に取り込んでいくかが重要です。

 

ここでオーストラリアまたは日本を舞台に活躍している人々のインタビュー記事を掲載しているサイト(Japanese on the Move)を紹介しておきます。

 

以下サイトより抜粋

二つの国を「ホーム」として受け入れるとはどういう意味なのだろうか?人々はなぜ国境を越え新しい土地に移り住んだ時、どの様に生活を始めるのだろうか?一つの国に定住しない人もいる。なぜ動き続けるのだろうか?「属する」とはどういう意味なのだろうか?Japanese on the Move: Life Stories of Transmigration ではオーストラリアと日本に所縁の深い50人が登場 し、国境を越え生活してきた体験を語ってくれる。聞き手はイングリッド・ピラー高橋君江(Macquarie University, Australia)。50人の体験談を通して「移動する」という意味や、グローバル化が深まる今移民にとって「属性」とは何なのかを考えていく。

 Japanese on the Move - Language on the Move

 

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 19世紀にユンカーの家に生まれドイツ統一へ尽力したビスマルクがこんな言葉を残しています。「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ。」

 

人生の先輩が経験していること、大袈裟かもしれないけれども、「他者の歴史を学ぶこと」でさらにワクワクできる充実した人生を送れるかもしれません。